戸籍の歴史_vol.2

古代?大昔?の戸籍って、あったの??

ありました!!

歴史に記録された最古の戸籍記録は、なんと「日本書記」に記されています。広く知られるように日本書記は奈良時代に成立した日本の歴史書です。養老4年(720年)に完成したと伝わっている重要資料です。

日本書紀に記されている内容は、現在の戸籍のような全ての人を対象としたものではなく、当時は渡来人(海外からわたってきた人)等の記録をするための対象とした限定的なものだったようです。

最古の全国的な戸籍は670年の「庚午年籍(こうごねんじゃく)」、続いて初の法典「飛鳥浄御原令(あすかきよみはらりょう)」に従って690年に「庚寅年籍(こういんねんじゃく)」が整備されました。これらは木簡に記されたとされていますが、いずれも実物は発見されていませんでした。

現存する最古の戸籍として広く知られているのは、今から約1300年前の大宝二年(702年)に作られた、奈良の東大寺境内に収められている「大宝二年御野国加毛郡半布里戸籍」(たいほうにねんみのこくかもぐんはにゅうりこせき)等と言われています。

大宝律令に基づき702年に作られた戸籍は、美濃国(岐阜県)や筑前国(福岡県)、豊後国(大分県)などのものが現存します。

さて、いずれも発見されていなかった「庚午年籍」「庚寅年籍」ですが、2012年、福岡県太宰府市にある国分松本遺跡から「庚午年籍」「庚寅年籍」とほぼ時代が一致する戸籍のような木簡が発見されています。

専門家の方々の様々な見解があるそうですが、律令国家体制が整う大宝律令の施行(8世紀初め)に先駆けて、統治の基本となる戸籍制度が完成していたことを示す貴重な発見といわれています。

戸籍の歴史は太古の昔まで遡るのですね。

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